47：電話の向こうで…

金曜バーベキューするんだ、って彼が言ってたのに、
すごい雨。
ざまぁみろー、という気も少しあり、
「ばーべきゅー？」
ってメールしたら、中止になってボウリングとのこと。
その流れで、
観に行くんだー、と報告済みだった美術展の感想を
送っておいた。

そしたら12時まぎわ。
たったひとこと。

「きもい」


彼はお酒に強くない。
飲んでるな、ってすぐわかった。
しかも、飲んでもかわいく酔っ払うタイプでもなく、
正気になるときもあるけど、扱いづらい感じの酔い方。
電車もよく寝過ごしてることを知ってる。
帰れるのかなあ、と思っていると何回目かに
「10分したらでんわくらさい」

そんなこんなで傘をなくした彼が家にたどり着くまで
電話でつきあってあげた。
雨は相当降ってたので、ずぶぬれのはず。
相手が見えないだけに、車にぶつかるんじゃ、とか
心配にもなるし。


また関わっちゃったー、と思ったけど、
これは私からじゃないからいいのだ。
ま、最初にメールしたのは私だけど。
しかもどうせ覚えてないでしょ。
その方がいいー。

前の人は、酔って電話してると
無責任なことばかり言ってきて、
あの時の私は、それでも嬉しかったけど、
でも、その場限りなんだよね。
痛いほど思い知ってるから、
逆に甘えてこない彼には安心感がある。
私の方を見てくれないのはさびしいけど、
彼女を大切にする彼を、やっぱり人間として評価できるから。

大人になったなあ、私も。
でもやっぱり不毛なんだけどね。。
今日は朝からバイトなはずで、
昨日の雨で風邪ひいてないかどうかちょっと心配だけど、
やっぱり控えておこう。